2012年5月19日土曜日

ヨーロッパ出張- ルーブル美術館

パリに来てから、時差ぼけな上に毎日歩いていたのでちょっと疲れていた。今日は何処にも行かず、のんびりその辺をブラブラしながら、生活感のある写真でも撮っていようかと思ったが、ふっと思い立ってルーブル美術館へ向った。

どうしても、もう一度見たい物があった。

スケッチブックを片手にまずは歩いてパリ北駅へ向い、駅構内のパン屋で朝食。





ルーブルに着くと、中国人のツアー客を押し分けて、わき目もふらずにまず向ったのは、これ。
Antonio Canova(アントニオカノーヴァ) の作品、Psyche ranimee Par le baiser de l'Amour 。日本語では、『アムールとプシュケ(エロスの接吻で目覚めるプシュケ)』) と言うらしい。以前来た時に、とても魅かれた。

背中の羽の形。
抱えあう腕のコンポジション。
迫力を保ちながらもとても繊細で、ここだけに違う空気が流れている様な彫刻。


次はルノアールのLa Lecture。


なぜか、見ているとホッとする。光と影を用いる様になった、印象派の彼ならではの作品だと思う。どうやったらこんなに柔らかな線を表現できるのだろう。



そして、かの有名なドラクロワの、La Liberte guidant le peuple.。民衆を導く自由の女神。フランス7月革命を題材にした作品。女神の向って左側には、ドラクロワ本人も。右側の少年は、ヴィクター・ユーゴー作のレ・ミゼラブルに登場する少年のモデルとなったとも言われている。女神の胸がはだけているのは、乳房=母性=祖国 という意味合いで、祖国フランスへの想いを比喩として表していると習った覚えがある。



すぐ側には、ジャンヌダルクの肖像画。夢に出て来た神に、民衆を導いてフランス革命を指揮する様に言われたのは、若干13歳の時とされている。そして、19歳の時に、イギリス軍の裁判で有罪となり、フランス西部のルーアンで火炙りの刑に。ここには、モネも題材にしているルーアン大聖堂があり、ジャンヌダルクが処刑されたとされる記念碑には、今でも人々が花を供えている。16年前に訪れた時、大きなゆりの花を1輪近くのマーケットで買い、供えて来たのを覚えている。



結局ルーブルで、午前11時から午後9時まで過ごした。
その間に描いた絵。




ヨーロッパの人達は、スケッチをしていると気軽に覗きに来る。立って描いていた時は5分ごと位に必ず誰か覗きに来た。さすがに1時間以上立っていると疲れるので、床に座って描き出したが最後、次々と上から覗きに来た。ある子連れのお母さんが来て覗き込んだ後、何かフランス語で話しかけて来た。全部は理解できなかったが、どうやら写真を撮っていいかと聞いているらしい。俺は大道芸人か!、と思いながらも、まぁ断る理由も無いので ”ダコー(OK)” と言うと、絵を描いている姿を写真に収め、お礼を言って去っていった・・・。次に絵を描く時は、足元に空き缶でも置いてみて、幾らたまるか試してみようかと本気で思った。

アートと言う物は、歴史、社会的背景や作者の心情などが反映されている物だが、見る人が勝手に色々と想像して見るのも良いと思っている。見る人が、その人の人生観で物事を見る、という事自体がアートだと思うから。


歩いていて、思わずセリフが思い浮かんで来た。


”へへへ、みんなには内緒だよ~”




”あっ・・・あっれ~???”




 ”おか~さ~ん!夕飯捕まえたよ~!”



パリは午後9時でもまだ明るい。






風邪ひくよ。
いや、信号待ちのミニスカートのお姉さんではなくて、そこで寝ている人が。



パリの夜景でも見に行こうかと思い、モンマルトルの丘に向った。電車の中で、学生っぽい二人組みがサックスとピアニカで演奏を始めた。小遣い稼ぎにたまに見る風景。と、座っていたおじさんがいきなり後ろの席の女性にダンスを申し込み、女性もOK。二人でダンスを始めた。曲が終わると、同じ車両にいた人達が拍手。こういうのは、ヨーロッパの文化を感じられてとても好きだ。素晴らしい。



モンマルトルの丘から見たエッフェル塔。


ちょっと曇っていて、夜景はあまり綺麗ではなかった。



土曜日の夜ともあって、大勢の人がアルコールを持参して階段にすわり、夜景を見ながらワイワイやっている。まぁ、実際は夜景なんて気にもしていないんだろうけど。


この時点で夜11時。あまり夜景は綺麗に見えなかったし、ずっと絵を描いていて疲れたので直ぐに丘を降りた。駅の近くのバーの前を通ると、サッカーを見ながら皆で大騒ぎしている。このまま帰るのは面白くない。ということで、大きなグラスでビールを買い、皆と一緒にサッカー観戦。ちょっと盛り上がってしまった。



今は午前1時45分。

こんな一人旅も、たまには悪くないかも、と思った一日。


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