今回は毎日の様にプロジェクト、HOT STUDIO ALL5、の設計管理で銀座に行った。銀座は華やかで、物が溢れていて魅力的な場所だけれど、時々ふっと我に返ると目に入る全ての物が商業的で、刹那的で、とても無機質に思えてしまう。
朝4時の銀座。昼間あれ程もてはやされていたにも関わらず、人間がいなくなると町全体が忘れ去られ、看板やウィンドーディスプレーは数時間の間全ての意味を失う。どこの町でもそうかも知れないが、昼間高級感と自信に包まれるこの町は、特にそのギャップが大きい。
誰にも見られていないのに、表情の無い人々は同じ方向を向けられ、回され続け、
透明感は透き通った綺麗さから、失われた存在感の象徴に変わり、
パーティーで誰にも誘われる事の無かった女性は、ただじっと一点を見つめて立ち尽くす。
人を並べる役目の豪華なポールは、暗闇の隅に並ばされ、
上を見上げれば、昼間は気が付かなかったくもの巣がビルを覆う。
1日中誰にもかまって貰えなかった公衆電話は、夜の間だけパーキングメーターに少しだけ同情してもらえ、
花屋の黄色い花は、蛍光灯の白い光にやられて色を失う。
工事現場を出た後、暫く一人で歩いていた時に思った事。
まぁ、正直なところ、昼間は昼間で行き交う綺麗な女性に目を奪われているので、ウィンドーディスプレーなんてどちらにしても目にも入らないのが現実だけど・・・。
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