2008年10月31日金曜日
宏樹の部屋 (社長室改造計画):第1週目
さて、これから数週に渡り毎週金曜日にシリーズでお届けする、
”徹子の部屋”、改め、”宏樹の部屋”。
別に誰かのインタビューをする訳ではなく、僕の部屋をアイデアで改造して行こうという企画。
第1週目の今日は、得意なライティングで遊んでみた。
蛍光灯の白い光が嫌いで、普段から字が読めなくなる程暗くなるまで、窓からの自然光のみで仕事をする。目が悪くなりそうだが、視力は小学生の時から両目共に2.0。
部屋のアクセントにもなり、雰囲気を作り出してくれるライティングは無いものかと考えながら、隣の倉庫となっている部屋へ行った。するとそこに以前IKEAで買った、確か一つ$3ぐらいの赤いゴミ箱が!
失敗しても害は無い。穴を開けてももったいなくない。よし、条件は揃った!
と言う事で、
まず中心に穴を開ける。
次に飾りを付ける為の穴を均等に開ける為に、円周を計算。
数ヶ月の間、日の目を見ないまま僕の部屋のドアノブにかけられていた、全部で$3のブレスレットを持ち出し、仕事で普段使っているクリップを・・・・・またまた仕事中に呼び出されたTomoeさんに付けてもらう。
中に電気を入れた時に、熱がこもらない様に通気口を作る。
ゴミ箱の方にもクリップをつけ、
IKEAで去年のクリスマスに買っておいた茶色い玉の飾りをダンボール箱から引っ張り出し、ブレスレットと共に取り付けると、
こうなった。
中に電気を入れ、僕の部屋に行き天井のパネルを外し、その上にコードを通す。
そして、コンセントを差込み・・・・・
スイッチON!
結構いい!
ゴミ箱を通して、赤色が部屋中を染める。
金と銀のブレスレットにライトが反射して、とてもゴージャスに見える。
光がある所には、必ず影が存在する。この影も、雰囲気を作り出すのに一役かってくれる。
窓に反射したライトが、部屋に奥行きを与える。
部屋の外との余りのギャップ・・・なんだ、あの世界は。
と、いう訳で、今週は総計約$10、所要時間約40分で部屋の雰囲気をガラッと変えることに成功した。
もちろん、言わなければあれがゴミ箱とは誰も思わない。
さて、来週は何をしようか。
Hiroki
2008年10月26日日曜日
CoCo Chanel
この映画の中の彼女の才能と、自分のデザインへの信念には驚かされた。
母親を亡くし、父親に捨てられ、修道院で育った彼女は富豪と出会い、恋愛をし、最愛の人を事故で亡くし、帽子のデザインから始めアパレル、香水、ジュエリーに手を広め、デザインが認められなかった時期、工場のストライキ、大戦中とその後のフランスからの迫害、経営難を乗り越え、1971年に87歳で亡くなるで、女であり、そしてデザイナーとしてパッションを持ち続けた様だ。
ファッションを日本語訳すると ”流行” となるが、デザイナーにはこの"流行”に乗る者、”流行”を作り出せる者、流行にはならないが独自のデザインを続ける者がいる。
多くのデザイナーと呼ばれる人は、"流行に乗る者” というのが実状。
彼女のオリジナルのデザインコンセプトは、女性の美しさを最大限に引き出すために原点に戻って考えられた物で、様々な人の助けの基、彼女は ”流行を作り出す者” になった。
話は変わるが、今朝会社の側のスターバックスに、コンピューターを持ち込んで仕事をしているドレッドヘアーの男がいた。スクリーンがテーブルからはみ出していたので、やけに大きいなと思ったら、ラップトップ・コンピュータではなく、普通のデスクトップ・コンピューターだった・・・
一体何が彼をそこまで・・・
Hiroki
2008年10月23日木曜日
隠れ家
”Are you guys throwing them out? (え?それ捨てちゃうの?)”
と聞くと、
”You want them? There are more . (欲しいのか?もっとあるぞ。)
まだ綺麗だったので、捨てててしまうにはもったいない。しかし、もらっても自分のオフィスの何処にこんなに大きな棚を置けるか検討もつかない。取り敢えず彼らと一緒にエレベーターに乗り、残りの棚を見に行った。
どうやら、我々のオフィスの2つ隣のテナントが引っ越したらしく、これらの棚の処分を頼まれたらしい。
状態は良好。捨てるのはもったいない、メンテナンスのおじさん達は一階の粗大ごみ置き場まで運ぶ手間が省けるので、”You want it? You want it?"としきりに聞いてくる。
どうするのか分からないまま、流れで2つもらう事にした。
3分もしないうちに、大きな棚が二つ、オフィスの僕の部屋に運ばれて来た。しかし、棚の枠は運ばれて来たが、中の棚板が無い。
”あれ?棚板は?”
と聞くと
”もう捨てちゃったよ。欲しいなら今日中に行かないと、ゴミ屋がもってっちゃうぞ!”
棚板が無ければただの大きな枠・・・意味が無い。
急いでエレベーターで下に降り、中型トラックのコンテナ程ある鉄の箱に入り、その他の粗大ゴミを掻き分けて棚板を引っ張り出してきた。生まれて初めてゴミ箱の中に入った。
さて、もらったは良いが、どうしよう。オフィスの中に建築雑誌が溢れていたので、本棚は欲しかった。でも、これらはかなり大きい。高さは7フィート(約210CM)。
普通に使うのはつまらない。2つの棚を向い合わせに置き、間に入った時にひらめいた。
”前から欲しかった隠れ家を作ろう!”
仕事中のTomoeさんに協力を要請し(こうしていつも皆に迷惑を掛ける)、まずは棚の化粧から。
普通は壁に背中をつけて立たせる為、人目につかない本棚の背中には仕上げ材が使われていない場合が多い。以前オフィスのキッチンの棚の表面を化粧する為に買った、木目のプリントがされたシートを取り出し、側面と背中に貼った。このシート、よく見ないと木目がプリントだとは分からない。15分程で2つの棚は生まれ変わった。
次に、自分の机に戻って仕事を始めたTomoeさんに再び協力を要請。
プリンターやサーバーなどの移動を手伝ってもらい、自分の机の横にスペースを作った。
そして、その出来上がったスペースに棚をL字型に並べ、中にお気に入りのレザーのベンチを入れ、
棚と壁にドリルでねじを差込み、そこにワイアーを張りカーテンレールを作った。
隣の部屋から、オフィスの廊下の壁に付けた物と同じモコモコの布を引っ張り出し、レールに取り付け、出入り口を作成。
最後に、自分の机で仕事をしていたTomoeさんに更なる協力を要請。
僕の大きなテーブルを移動させて完成!
雑誌を運び込み、棚に入れた。
ライトは、昔シカゴのGary Lee Partnersで働いていた際、イタリアの照明器具会社のアルテミディのショールームに呼ばれ、20人程で訪れた際にお土産としてもらったライト。この$200もするライトを一人に一つづつ・・・。とても太っ腹。
こういう小さなスペースは、実はとても落ち着けて、ちょっと一人で考え事をしたい時や、デザインする時などに重宝する。一日中この中にいるとしたら問題だが、いつもと違う雰囲気に一瞬で入り込めるところが面白い。
オフィスは仕事をするところ。しかし、実際、仕事机とコンピューターさえ与えれば人は効率良く仕事をするのだろうか。毎日毎日通うオフィス。他人と一緒に働くオフィス。ちょっとした居心地の良い空間は、仕事の効率を上げ、生産性の向上に繋がる事は間違いない。
最後にTomoeさんに言われた。
”内田さん、そんなに私たちから離れたいんですか!?”
Hiroki
2008年10月22日水曜日
Metal Rose 2
やはり、この様な我々オリジナルの物を受け入れてもらい、実際に使ってもらえると、とても嬉しい。皆で試行錯誤した甲斐があった。お店自体も、オリジナリティーのあるものになり、それだけでもお客さんに覚えて貰えるし、口コミで広めて貰える。
暗い中では、壁に浮かび上がる影がとても幻想的。
次の写真は " MY CHAIR" のテスト用に作った物。
幸運にもこちらもクライアントの目に留まり、プロジェクトの中で使いたいという話を頂いた。
お店のロゴを椅子の背中に編み込む。
この椅子を広める為、背中部分の編み方競技をしようと、Yusuke君と話をしている。
また、頭の活性化に老人ホームに寄付したり、幼稚園に寄付する事も将来的に出来ないかと話し合っている。
実際にやってみると、この編み方を考案するのは、はまる!
レストランなど、季節などによって背中のデザインを変えるだけで新たな印象をお客さんに与えられる。
いちいち椅子を丸ごと変えていたら、コストがかかりすぎてしまうが、この椅子なら大丈夫。
紐も、自分の好きな色や材質を選んで貰えばよい。
と、いうことで、 ”MY CHAIR"
Hiroki
2008年10月15日水曜日
Metal Rose
硬いワイアーメッシュで柔らかい花を創り出す。Erikaさん、Tomoeさんと共に手に傷を作りながら色々と試行錯誤し、何種類もの大きな花を作っては壊し、比較し、色々な電球を試し・・・
これが我々にとっての"デザイン”の作業。
エリカさんの作業中の机の上。
電気を入れて天井から吊るしてみた。まだまだ調整中。
そこにしかない物を、一つでもいいから入れてゆきたい。なぜなら、それがその場所の"ブランド”を作り出す”要素”になるから。他の場所にもある様な物を沢山集めて何かを作っても、時と共にすたれる流行の物になるか、またはどこか他で見た事のある、個性の無い物になるかのどちらかでしかない。それが悪いとは言わない。でも我々はそこに石を投げ込み、何か提案することを忘れたくは無い。
さてと。あとはクライアントに気に入ってもらえるかどうかだ。
Hiroki
2008年10月10日金曜日
マテリアル
黄緑色の大理石。濃い緑のものは珍しくないが、綺麗な黄緑色はなかなか手に入らない。
溶岩みたいなアルミ二ウム。
巻き貝の断面図は面白い。それらをガラスの間に挟んだもの。
少し前からあるが、大理石をレジンで固め、表面を平らにしたもの。
ダイクロイック・フィルムをガラスの間に挟んだもの。映るものが虹色に見える。
これは、進行中のカフェのプロジェクトのオーナーから頂いた物。
とうもろこしからできているカップ。
そして、その他にもよく変なものを集めたり、遊んだりする・・・。
大きながんもどき・・・ではなく、石が割れないように入っていたリサイクルの紙。
オフィスの壁に貼ったモコモコ。壁は上下でマテリアルを変えると面白い。
大きすぎる洗濯ばさみ。
IKEAで見つけたバスタブの床に貼る滑り止め。
デザインを考案中のえりかさん。
2008年10月7日火曜日
日本語ページ
通訳をやっている人は、凄いと思う・・・。
http://hirokiuchidadesignlab.com/
ともえさん、お疲れ様でした。
Hiroki
2008年10月3日金曜日
MY CHAIR
http://www.hirokiuchidadesignlab.com/mychair.html
レストランなどでは何十脚と椅子を買う。暫くして、雰囲気を変えたくなってもいきなり全部を取り替えるにはコストが掛かりすぎる。もっと気軽に季節や好みに合わせて椅子をカスタマイズ出来ないだろうか、という考えから生まれたのがこのMY CHAIR。
名前の由来は、YOUR CHAIRという題名のデザイン・コンペティションに応募した際につけたもの・・・
ちょっと安易だけど、親しみやすい。
作成途中、ばらばらにした椅子を見て皆の”創造”が始まった。これこそDesign Labの醍醐味。
あれや、これや意見が飛び交い、MY CHAIRどころではなくなってきてしまったので、一脚はMY CHAIR作り用。もう一脚は新しい椅子のテスト用として使用する事にした。
もてあそばれた椅子。
でも、想像がどんどん膨らむ。来週はもっと工具を持ち込んで、この椅子に更にひどい仕打ちを・・・。
この後、実際に工場見学も行ってきた。この工場以外にも話を持って行こうと思案中。
Hiroki
2008年10月2日木曜日
LA Downtown
LAのダウンタウンはニューヨークやシカゴと違い,近寄り難く、汚い上に危険というイメージが付きまとった。僕のオフィスも、1年前に郊外からLAに移す時にダウンタウンの物件も見たが、遅くまで働いた後に、暗い中、自分自身外をあまり歩く気になれなかったのと、アシスタントの子達の安全を考えて断念した。
3年ほど前から大開発が始まったダウンタウンは、古い建物の中を改装してロフトアパートとして貸し出したり、新しいコンドミニアムを建てたりと、今でも建築ラッシュ。ただ、スーパーマーケットなどのインフラストラクチャーが揃い、中心エリアがもう少し安全になり本当に落ち着くまでにはまだ2~3年ほどかかると僕は思っている。
中心部から5分ほど東に外れたLittle Tokyoエリアは凄いことになっている。新しいコンドミニアムが次から次に建ち、この地域の一家の平均年収は$150,000(1ドル100円で計算して1500万円)と聞いた。ホームレスなどに囲まれていた寂れた地域という印象から脱却し始めている。1年前よりも確実に賑わっているし、今度はそこに電車の駅ができ、大規模な高層コンドミニアムとリテール街(商店街)が出来る。
Little Tokyoのコンドミニアム群そして、その更に東の、さらに立ち入るのに勇気が必要だったアーティスト・ディスとリクトは、今新たなレストランやカフェが進出し出しているようだ。これからは、この地域の開発もどんどん進むだろう。
アーティスト・ディストリクトの壁画アメリカは世界を巻き込みながら、サブプライム問題で経済が大混乱中。でも、人口の増え続けるカリフォルニアはまた数年後には土地の値段が上がりはじめるだろう。その時、この辺りはとても手が出せないような値段になると思われる。一度コンドミニアムのセールス・センターに説明を聞きに行ったが、現時点で、Little Tokyoの周りでも2ベッドルームで$600,000(単純計算で約6000万円)だった。
高層ビルが立ち並ぶファイナンシャル・ディストリクト
フランク・ゲリーデザインの、ディズニーコンサートホール
建設中の高層ビルと、LAの渋滞
色々アメリカを満喫した後は、日本庭園のあるビバリーヒルズの権八で一杯。冷えたグラスに生ビールはやはり美味い。
Hiroki