2012年1月15日日曜日

コラボレーション

ここ数年の不景気の煽りを受けて、中規模の建築・インテリア設計会社に変化が出てきた。自社で正社員を抱えると保険や税金など色々と経費が掛かる上、プロジェクトが急に無くなった時等にいちいち解雇しないとならない。

昔働いていたSOMでは、プロジェクトの多い時はいきなり人数が2倍になり、終息すると隣の人が段々と姿を消して行った。入社当初に、周りにいる人の名前だけでも覚えようとしていたら、現在のパートナーで、当時一緒にSOMで働いていたピーターに
”入れ替わりが激しいから覚えても意味無いよ。”
と言われたのを覚えている。

上の方の人間はそれ程入れ替わりが無いので、上手くコントロールしながら仕事のクオリティーを保っているのだろうが、正直なところ、アメリカの大手コーポレーションのこのやり方を嫌っているアメリカ人も多い。

そんな中、中小規模のデザイン会社は、自社で社員を抱えずに同等のクオリティーや考え方を持っている会社と、プロジェクトベースでコラボレーションして行く方向にどんどん移行している。我々もLAで知り合いの建築会社と必要に応じて一緒に仕事をする。

シカゴでは中規模の建築設計会社が、インテリア部門を自社内に設立するのではなく、コラボレーションして行かないか、と声を掛けてくれているので来月ミーティングの予定。

一昨日は世界中で活躍するダクラス・デボアー (Douglas DeBoer) がわざわざオフィスに足を運んでくれ、将来のコラボレーションについて二人でミーティングをした。気さくで豪快な55歳の彼は、少し前まで100人のデザイナーを抱えていたが、自社で抱えるデザイナーの数を減らし、ファミリーの様に信頼して一緒にコラボレーション出来るチームを作ろうとしている。そんな中、我々に白羽の矢がたった。とても光栄な話だ。彼の作品は実際凄い・・・巷で言われるセレブ御用達のレストランを含め、ホテルなどのホスピタリティーを中心に活躍している。奥さんはファッションブランドのGAPの元デザインディレクター。幼いころから親の仕事の関係で世界中の色々な場所に住んでいた彼にとって、世界を舞台に飛び回って仕事をする事に対して何の抵抗も無い。大きなプロジェクトの場合、2年間程その場所に住み着いて面倒を見る事もあるらしい。

共同でデザインをする時の事や、一緒に新規のクライントにアプローチする話などを含め、色々と話し合った。日本人と仕事をする時と違い、年齢や規模に関係なく対等に話をさせて貰えるので、どんどん話は進み、1時間半はあっという間に過ぎた。


”今日は時間をとってくれて有難う。会って話して、お互い考え方が似ている事がよく分かったよ。是非一緒に仕事をしたいのだけど、君はどう思う?” とミーティングした日の夜に早速メールが来た。

断る理由は何も無い。
”お互いの利益になると思います。是非一緒にやりましょう。” と返事をした。



ミーティングの後、ドアの外まで見送った時によく慣れた会話が。

”あれ?日本人にしてはデカくないか?本当に日本人か?” 

”うん、よく言われるよ。”


2012年1月6日金曜日

午後4時30分 金曜日

午後4時を過ぎると、オフィスの至る所にストライプの影が出来る。










40分程でこの影が消えると、部屋の中で明るいのはコンピューターの画面だけ。部屋の中がぼやけて来る頃、画面上の物が鮮明に見え出す。




そして静か。









ただそれだけ。

2012年1月3日火曜日

Happy New Year! - Malibu

明けましておめでとう御座います。

今年はアメリカ国内は勿論の事、時間のある限り、日本を始め海外でのプロジェクトも進めて行く予定。取り敢えず今のところ、1月にラスベガス、2月と3月にはそれぞれ1週間程日本に出張予定になっている。

不況と言われる中でも、ビジネスを前に押し進める力のある方々と仕事をさせて頂くと、大変刺激になる。

さて、昨日は振り替え休日だったがじっとしておれず、以前お話のあったお菓子屋さんのクライアントがマリブにお店を出していると言うので、挨拶も兼ねてMalibu County Mart(リンク)へ。前に訪れた時から拡張されて大きくなっていた。駐車場は車でいっぱい。土地柄、裕福な人が多いのでそれっぽい感じの人達がカフェでコーヒーを飲んだり、ショッピングしながら犬を散歩させたり。

山を背にした低い建物が並び、のんびりと歩いているだけでもとても気持ちが良い。







カリフォルニアっぽいモダンなJames Perseのブティック。


店内の一角。店員に見つからない様に急いで撮ったのでちょっと入りきらなかった。





色々な店が並ぶ中、一番目を引いたのがこのセレクトショップ。



入り口にガードマンがいた為店内の写真は撮れなかったが、外装に使われているこの木の質感は素晴らしい。日差しの強いこの場所で、綺麗にこれらの木を保持して行く為には毎年手入れをし続ける必要があると思う。ひび割れが起きれば、外壁が隙間だらけになるだろう。鉄の大きなスライディングドアのサイズと錆びた感じがまた良い。中はモダンに白で統一。外装とのギャップで外と中がお互いに助長しあい、とても格好良いコントラストを生み出している。


これは帰りがけに撮った写真。マリブからサンタモニカを見た物。地面近くの黒い空気の層は、言わずと知れたLAの大気汚染・・・




これを見たら綺麗な空気が吸いたくなって、山の上へと避難。

トパンガ・キャニオンの上から。



真ん中にポツッと見えるのは誰かの豪邸。


渓谷の中に豪邸が点在する。山の間から見えるのは太平洋とカタリナ島。



毎日こんな景色が見れるのは羨ましいけど、トイレットペーパー1個買いに行くのも大変そうだな。

関連ブログ記事

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...