2012年4月2日月曜日

上野 AGAIN

プロジェクトが完成した次の日の3月24日、良い建築が見たくて小雨の中、上野に向った。もう、飾りと看板だらけの建物やディスプレーを見るのは少し疲れていた。

重厚な東京文化会館はコルビジェの弟子、前川國男氏の設計(1961年竣工)。要所要所にコルビジェの影響が見受けられる。迫力のあるとても威厳を感じる建物。見る角度によって、色々な表情も見せてくれる。




大学3年生の時、少しだけパリで建築を勉強した際に、コルビジェの作品は数多く訪れた。

宿泊もしたラ・トゥーレット修道院。


理解に苦しんだ、ロンシャンの礼拝堂。懐かしい。今年はロンドンに出張があるので、電車でパリも行ってみようと思う。16年振りだ。



話を上野に戻して、前川氏の師匠、コルビジェ設計の国立西洋美術館。


ちょっと晴れてきた。


長い斜面の回廊や長い階段は、コルビジェのデザインの特徴の一つ。パリ郊外にあるヴィラ・サヴォア等にも存在した。現在の、部屋の端にあるドアを開けて次の部屋にただ入る、という繰り返しだけの移動ではなく、建物の中を半ば強制的に決められた方向に歩かせる事により、歩きながら次第に変わって行く普段は見ない景色を見せ、自分の位置や高さを体感させる役目を果たしていると思う。安藤忠雄氏の作品にもよく見受けられる。



色々な角度から物を見る、という事に通ずるもう一つの特徴が、これ。あちらこちらから、いきなり人の頭が現れる。この写真では、奥の壁の開口部と左のバルコニーから人が現れたり消えたり。そして、そこまでの行き方は決して一目瞭然には分からないので、建物に奥行きを感じる。


低い暗い天井は、天井が高く明るい展示部分の壁を一層際立たせる。デコレーションではなく、建築の要素を大変上手に使い、人間の心理を巧みにコントロールしている。



新館の緑色の外壁とプロポーションはとても目を引いた。


外に出ると、雨も上がり、他よりちょっと早めの桜が。



空に伸びる梅の木。



しだれ柳と法隆寺宝物館。谷口吉生氏の設計。また来てしまった。完璧なプロポーション。





旧因州池田屋敷表門(黒門)。昭和29年にこの位置に移転され修復されるまでは、明治25年に芝高輪台町の常宮御殿の表門として移建。後に東宮御所として使用され、さらに高松宮家に引き継がれたと書いてあった。江戸時代末期の物。

何が凄いって、当たり前だけど、これが手作りなところが凄い。





旧東京音楽学校奏楽堂。明治23年に東京芸術大学音楽部の前身、東京音楽学校の校舎として建造されたもの。昭和62年にこの場所へ移築された。随分綺麗に修復されているが、あちこちから昭和の臭いがして来る。国の重要文化財。







その後、桜とピカチューを見ながらちょっとブラブラして、






不忍池に来たら、屋台が沢山並んでいた。時間は午後5時。この日は朝食にパンを食べただけだったので、お腹が空いていた。目の前にある物珍しいラーメンバーガーなる物に手が出そうになったが、ハズレた場合ムカつくので、無難にたこ焼き屋へ。しかし、500円を出そうと思ったら小銭が490円しかない!1万円札を出すと、”ないねーお釣り。悪いねー。” とおやじさん。横で美味しそうに食べている小学生から10円貰おうかとも考えたが、彼らの4倍近く生きている手前、それは控える事にした。

空腹を抱えつつ、”きっと普段の行いが悪いからだ・・・この心洗いの水には、風呂に入る様にザバーッと浸かった方が良いんだろうな・・・” などと考えながら駅へ向った。



ホテルのある人形町まで帰って来て、食事をしようかと思ったが、毎日一人で店で食べるのは何となく寂しいのでもう嫌だった。で、食べたい物を買ってホテルへ。こういうのは結構贅沢に感じる。

もちろん、リベンジのたこ焼きも忘れずに。

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