2011年4月26日火曜日

Robert Longo

好きなアーティストの一人に、アメリカ生まれのRobert Longo(ロバート・ロンゴ)という人がいる。



彼の作品の中でも特に好きなのは1979年に発表された "MEN IN THE CITIES" というシリーズ。

チャコールで描かれた白黒のビジネスマンとビジネスウーマンが、全身を使って感情を表現している。踊っている様な、もがいている様な。

彼らの体の中から溢れ出した何かが、ネクタイの流れから髪の毛一本に至るまで、まるで瞬間的に写真を撮ったかの様に現されていて、見ている自分も一緒に体が動いてしまいそうになる程迫力がある。


とかく建築やインテリアデザインなどは感情の無い ”無表情” な物に思われがちだが、指揮者やダンサーが体全体を使って音を表現するのと同じ様に、我々が作り出す物にも感情があったり、又は人々の感情を引き出す為のステージとしての役割をもっともっと持たせたいと常に思う。

レストランでは、薄暗い光の中、普段口にしない様なキザな言葉が勝手に出て来る様な。

オフィスでは、朝会社に着くと自分の会社のイメージが体の中に染み込んで来て、プライドを持って仕事をしたくなる様な。

家では、日曜日の朝、静かに音楽を聴きながら何も無い明るい真っ白な部屋でコーヒーを飲んでみたくなる様な。

いつも自然体で気取らず、どこに行っても着る物もいつもと一緒という人が格好良いという意見も聞いた事はあるが、人間は周りの環境に左右されながら生きる動物。

緊張したり、まったりしたり、格好を付けてみたり、可愛く見せてみたり。

その場の雰囲気に流された感情で、時間を楽しんで見る方が面白い。

Hiroki

0 件のコメント:

コメントを投稿

関連ブログ記事

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...