2011年6月12日日曜日

Hospital Design

先週、検査のために紹介された近所の少し大きめの病院に行って来て驚いた。


写真は撮れなかったが、まずビルのドアを抜けると綺麗なリセプションデスクがある。他の人がリセプショニストと話をしていたので順番を待とうとすると、近くに立っていた女性が、

”こんにちは。今日はどうされましたか。”

と話しかけながら近寄ってきた。

”いや、あんたには関係ないから・・・” 

と言おうと思ったが、身なりがとてもきちんとしていて悪気もなさそうなので、訪問の理由を話すと、

”それでは、こちらへおいで下さい。”

と、前を歩き出した。なんと、まるでホテルの様に外来の患者一人ひとりをビルの入り口からエスコートして、専門科の待合室まで連れて行ってくれる!

奥に入ってさらにびっくり。カラフルなカーペットタイルに綺麗な家具。壁には床と色を合わせたアートが飾られ、そして吹き抜けの天井からは日の光が。去年リノベーションしたそうだ。





日の光が降り注ぐ地下はカフェテリア。コーヒーはスターバックス。





 待合室はオープンで、そこにもお揃いの制服をきちんと着こなしたリセプショニストがいて、あっという間にレジストレーションを済ませてくれた。


 木の天井に、モダンな細いスリットのライト。




待合室から診察室などがある部分に抜けるドアの向こう側は、そこまでカラフルではなかったが、清潔感が出る様にリノベーションされた様子が伺えた。

従来の病院のイメージは、清潔感を出す=汚れが見えやすい白を使う で、無機質で、冷たく、硬く、薬品の匂いと寂しさが漂うものが殆ど。色々なマテリアルが発達した今、もっと明るく前向きなイメージにされるべきだ。カーペットは湿気も吸い込まない様な物で汚れた部分が取替えできる様にタイルになっている物を用いたり、ハンドレールやカーテンなどは抗菌の物。床のセラミックのタイルも、特殊なクリアーコートがされていて菌がこびりつかない加工が施されている物などを使えば良い。色、模様、形は多様にある。ただ、ヘルスデパートメントの規則により、壁の色に対する光の反射率などが定められている場合はある。


最後に一つ驚いたサインがこれ。ビルの入り口付近のとても目立つ場所に貼られていた。

”育てる事の出来ない赤ちゃんを、この病院に置いて行っても大丈夫ですよ。”

というサイン。ここまではっきり書かれた物は初めて見た。色々な理由があって育てる事が出来ない親が世の中には数多くいると思う。ただ、子供は自分で勝手に命を作って勝手に産まれて来ない。殺されてしまったり、道端に捨てられてしまうなど、悲しい出来事が少しでも減ることを祈るばかりだ。




ナーシングホームのデザインを続ける中で、とても参考になった1時間だった。

しかし、世話をしてくれたナースが物凄い早口な上におしゃべりな男で、

”これ日本人の名前でしょ。日本人だと思ったよ~。寿司好き?何が好き?俺の従兄弟も寿司好きだよ。俺も好きだけどねぇ。成田には行った事あるよ。あ、ここでこのガウンに着替えて。で、何好き?寿司。紐は背中で結んで。着替えたらここのロッカーにいれといて。鍵は俺が預かっとくよ。信用する?俺のこと?酒は何が好き?”

約4秒でこれだけ話した・・・。

まともに相手にすると今すぐ胃潰瘍になりそうだったので軽く流したが、日本でアメリカ人に会っても

”アメリカ人?だと思ったよ~。ハンバーガー好き?何バーガーが好き?”

とは誰も聞かないよな・・・と着替えながら呟いた。

Hiroki

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