今進行中のプロジェクトのエレベーターロビーのデザインをクライアントに見せる為、レンダリング(CG)した。
同じ場所でも、マテリアルとライティングによって全く違う雰囲気になる事が一目で分かる。
うちはあまり写実的なレンダリングはしない。コストが掛かるし、余程大きなプロジェクトでない限り、それだけのお金と時間を費やす必要性を感じない。
コンピューターを使うと確かに色々な事が可能だけれど、あくまでも自分のアイデアを表現するための ”ツール” と言う事をいつもアシスタントには言い聞かせてきた。色鉛筆やトレーシングペーパーと一緒。
コンピューターで作られたものは一見、先進的で専門的に見えるため見た目が良く思えてしまい、良いデザインと勘違いしてしまう事も多い。また、自分にもCGが上手に出来た!と喜んでしまい、良い作品が出来た!と取り違えてしまう事も多い。
今は学校でコンピューターに頼った授業が多くなっている為、手で透視図などの絵を掛けない人が増えている。これではクライアントとのミーティング中にアイデアを紙の上にサッと描いて話を進める事が出来ない。また、自分の物を見る目が鍛えられない。
アメリカの建築業界では昔から、レストランやカフェのペーパーナプキンの上にアイデアを描く事が多かった。ちょっと一息ついている時や、カジュアルなランチの最中などにアイデアが浮かんだらペーパーナプキンの上に描いてコミュニケーションを図る。
iPadなどの普及によって、これからどんどん紙の変わりにスクリーンが使われたりはしてくるだろうけど、目と手とコンピューターを上手に使って自分のアイデアを表現する事が大切だと思う。
今まで聞いた中で一番がっかりした言葉。
”いつも使っているツールがこのプログラムに無いから描けません!”
思わず言ってしまった。
”そういうのをコンピューターに使われてるって言うんだよ・・・”
Hiroki
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