2008年7月2日水曜日

Fun Sushi MoMo OPEN

2008年7月1日、日本食レストラン、MOMOがオープンした。招待客350名がオープン前から行列を作り、午後6時の開店を待ちわびた。日系人の少ないFullerton市のダウンタウンに位置している為、お客さんは皆アメリカ人。前を通る車からはクラクションと共に”MOMO~!!!!”と歓声が上がる。
23年前にこの町に誕生したFun Sushi MoMoは多くの人に愛され、約1年前に移転の為一旦幕を閉じ、今、新たなロゴ、新たな店舗、そして、昔からの同じ従業員と新たなシェフ、ウェイター&ウェイトレスで再スタートを切った。


このレストランの23年間の歴史の重みは、招待客の歓声や ”Hey! SUZUKI!"というオーナーを指差しながら再会に大喜びする客達から溢れるほど伝わって来た。”MOMO”と”SUZUKI” はこの町に確実に根を深く生やし、約1年間の閉店中も誰一人として忘れることは無かった。



一体どれだけの人がこのレストランのオープンを待ちわびていたのか想像もつかない。工事の監修に現場を訪れる度、わざわざ車でレストランの進行状況をチェックしに来た昔なじみのお客さん達に、”いつOPENするの?もうお腹ぺこぺこだよ!”と尋ねられたり、”いつまで待たせるんだ?!”と少々不機嫌に質問されたりさえした。そして、一人帰ると、違う人が入れ替わりにやって来た。電話が繋がってからは、10分おきに電話が鳴った。

オーナーシェフの鈴木さんは大変寛大で、我々を大変信頼して下さった。奥様はアーティスト。店内の魚のオブジェはどれも彼女の手作り。サーフボードのマテリアルを買って来ては、ご自分で加工される。寿司カウンターの一段高くなった付け台の部分も手作り。石を引きつめ、エポキシーを流し見事な川を作られた。鈴木さんご夫婦の大変大きなご理解とサポートの元、個人的に試してみたかった光の使い方などを実現させて頂いた。

最近どこのレストランに行っても感動が少ない。違うのはちょっとした飾り付けと形ぐらいで、新しいアイデアや雰囲気がない。簡単に言うと、個性が無い所が多い。新しい発見も無い。

今回MOMOで一番こだわったのは、壁一面の青いライティング。立体に見える上、見る角度によって形が全く違う。もともと存在した白いドライウォールの壁に深みを与える事に成功した。このライティングは仕事の後に薄暗い会議室で色々と研究していて発見したもの。見た瞬間”これはいける!”と確信した。


昼間は天窓から日の光が差し、電気をつけなくても調度良い明るさになる。1930年代に建てられたレンガ造りのビルの特徴を殺さない様にしながら、新たな輝きを持たせる事に成功したと思う。

簡単に口では言い表せない世界観とコンセプトを、鈴木さんご夫妻と話し合いながらゆっくりと育てて行った。昨夜のオープニングに来られたお客さん達の笑顔を見て、この町に新たな光を加えることが出来、人々の集う場所を作る事によりデザイナーとして貢献できた事が何より嬉しかった。しかし、それと同時に大切に育てて来た物を手放す時でもあり、寂しさも覚えた。


最後に、このプロジェクトを成功に導くために努力を惜しまなかったコントラクター(工務店)のホワン・バーガスを筆頭としたVargus & Son's Construction Inc. の人々、そして、現在働いてくれているTomoeさんを始めとするデザイナー達と同様、完成を見る事なくビザの関係で日本に帰国せざるを得なかったデザイナーだったChikaさんとKanaeさんに”おめでとう”と”有難う”を言いたい。
Fun Sushi Momo
714-525-8974
Hiroki

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