2008年7月22日火曜日

夕方とマグリットとロジャー・ブラウン


今は午後7時30分。この時間になるとLAの空気中のちりが西日に照らされて、その日の汚れ具合が目に見える。今日も車で15分程しか離れていない目の前の山がかすんでいる。

窓際に飾ってあるのは昔から好きなマグリットのポストカード。彼の物の見方はとても面白い。日常の物を違う観点から見ている。固定観念を排除して物を見ている。パイプの絵を見せながら”これはパイプではありません”とその下に書く。

もう一人とても好きなアーティストがいる。年代は違うが、ウォールト・ディズニー(1901-1966)と同様、僕の学校の先輩にあたる人でロジャー・ブラウン(1941-1997)という画家。彼の絵にはシカゴの町並みが描かれている物が多い。そのビルの窓の中一つ一つに、人がシルエットで絵描かれている。

怒っている人、泣いている人、手をつないでいる人、踊っている人。
そのシルエットを見て、

”なんであの女の人は怒っているんだろう?きっと彼氏の浮気が発覚したにちがいない!”

”この二人の人は握手をしている。きっと一人の女の子を取り合って、最終的にどちらが手を引くか決まって和解したんだな・・・。”

など、色々と想像させられる。
一つの絵の中に、無数のドラマがある。そして、それが”街”の姿だと彼は知っていた。


見る人に色々考えさせたり、何かを感じさせる物が好きだ。



昔こんな絵をよく自分で描いた。


大学3年の時にパリで3ヶ月間建築を勉強した時があった。友達がいた訳ではないので、アパートの中などを見る機会が余りなかったが、観光地より、一般の人の生活が見たかった。そこで、よく夜散歩をした。夜散歩をすると、部屋の灯かりが付いているので家の中が見える(注:覗きをしたかった訳ではない)。人々の生活がほんの少しだけ見えて、その街の普段の流れが伝わって来た(注:覗きと行為はているが、目的が違う)。

そうこうしているうちに、窓の外の色は変わっていた。

Hiroki


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