2012年5月24日木曜日

ヨーロッパ出張-帰国

久しぶりに書くネタがあったので出張時の事を色々書いたけど、そろそろネタ切れなので、これで最後。

22日の朝、落書きだらけの汚い電車で空港へ。窓に寄りかかるのもちょっと気が引ける。こう思うと、日本の電車は本当に綺麗。


空港でコーヒーを買う列に並んで、自分の番が来たのでオーダーしようとすると、斜めからスーツを着たフランス人のビジネスマンが無理やり割り込んできて、”あ、僕の方があなたより前にいたから。” と言ってオーダーを始めた。”何行ってんだよ、列こっちにちゃんとあるじゃねーか" と反論したが、無視。これ、昔もイタリアのローマの銀行であった。女の人が割り込んできて、”列こっちですけど” と言うと、”F%*^*K YOU" と一言。いい大人が、列を横入りして、無視するという礼儀の無さ。これだけは大変嫌い。

”とっても良いフランスのマナーだな。” と耳元で言ってやったが反論すらして来ない。
勿論こいつ一人のせいで周りのフランス人皆を嫌いにはならないが、あ~あ、最後の最後でなんかがっかり。


そのまま空港の長~い通路へ。


途中に書かれていた日本語。
”ブリッジの”
の?の?なんなんだー!と、ここでもがっかり・・・


機内でふとチケットの半券を見て気付いた。

便名33、ゲート33、席33・・・確かに、”散々” な最後でしたよ・・・



気を取り直して、飛行機から見る雲はいつも凄いと思う。空に浮かぶ大きなかたまり。


白黒でも撮ってみた。



テキサス州ヒューストンで乗り継いで、午後七時に無事にLA着。
やっぱりここは広くて良い。

ここからは、パリで撮った写真を紹介。

ランタンの影


 凱旋門と雲のコラボ


なかなか売ってないので探し回った、スモークサーモンの サンドイッチ。と、でっかいマカロン。


右上の窓から誰か覗いている・・・


ノートルダム寺院。観光客のささやき声が大きくなると、"シー” っと放送が流れる。





空を撮ろうと思ったら横は入りして来た背の高いやつ。




ベルサイユ宮殿







最後に、これが撮りたくて駅でずっと待っていたもの。


2012年5月21日月曜日

ヨーロッパ出張 - ベルシー

今日は朝から大雨。寝るのが朝方だったので起きるのが遅くなってしまった。午前11時に支度を整え終わり、何処に行こうか考えた。雨の日こそ美術館などが良いのだが、昨日も一昨日も行っていたので、今日は気が向かなかった。

で、Bercy(ベルシー)へ。パリの東に位置し、元ワイン倉庫などを改築したショッピングモールがあると読んだので行く事にした。メトロの駅から地上に上がった時に、”あれ、ここ来た事ある”、と思ったが、何をしに来たのか全く思い出せない。

とりあえず、雨が強くなって来たし、今朝は何も食べていなかったので近くのレストランでフレンチオニオンスープとカフェオレを注文。変な組み合わせ、と思いながらも、どちらも欲しかった。オニオンスープに入っているパンを食べながら、さらに出て来たサービスのパンをかじる。

”もう、暫くパンはいいや・・・” 
スープの味は、まぁまぁ。


ショッピングモールの場所は知らなかったが、なんとかなるだろうと思って来てしまった。遠くにフランス・ナショナル・ラブラリーの頭が見えたので、セーヌ川の位置はあっち。川沿いがお洒落な感じになっていたので、とにかく歩き出してみて、この建物を見た時に思い出した。

今はシネマテーク・フランセーズと言う映画の博物館や上映場になっているらしいが、16年前はアメリカン・センターという名前だった。建築家はLA在住の著名なフランク・ゲリー。パリにいた時の学校のプロジェクトで、この建物の内装をデザインした覚えがある。奇抜なデザインだが、公園に面しているのと、隣のビルもモダンな感じなので全く浮いていない。


 目の前の広い公園を進むと、Parc de Bercy と言う、初めて来た素晴らしい公園に続いた。今回パリで行った場所の中で、一番好きな場所に一瞬でなる程。どこかヨーロッパの田舎に瞬間移動したみたいな感じ。雨が降っていたのも、また趣があって良い。


誰もいない公園。


誰もいないベンチ。




雨水のしたたる音だけが公園全体を支配して・・・




と、思ったらいやがった。仲よさそうに。チッ!




で、公園を抜けると予想通り目の前にモールが現れた。




ショッピングをすると言うよりは、主に食事やお酒を楽しみに来る場所。短い通りの両端に、お洒落なレストランが並んでいる。きっと晴れた日の週末などは物凄い人でいっぱいだろう。




雨がいっこうに止まないので、早めにホテルに戻ってちょっとのんびりした。今日はパリ最後の夜。折角だからレストランでちゃんと食事をしようと思い、ネットで色々検索したがよく分からない。食べた事も無い様な美味しい物が出て来る事はあまり期待できないし、一人で高級店に行く気はない。その辺で買えば安いワインを、わざわざ雨の中レストランに一人で行って高いお金を出して飲むのもつまらない。

そうだ、好きな物をスーパーでローカルの人みたいに買ってきて食べようと思い、歩いて3分の所にある店へ。買ってきたのは、長~いバゲット、スモークサーモン、タコとオリーブのビネガー漬け、パスタ、それとワイン。全部で15ユーロ (約1524円)。パンは売り場の棚に隠れてヒーターが入っており、暖かくて柔らかくてびっくりした。ワインは小瓶だがたった2ユーロ。手で開けられる白がなかったので、赤を。




さて、あと11時間したらアメリカに帰国。国外なんてここ4年程出ていなかったのに、今年に入ってから出すぎ。

帰ったら、クライアントと工事業者が待ち構えている・・・

隙を見て、やしの木の下でビールでも飲もう。

2012年5月20日日曜日

ヨーロッパ出張 - オルセー美術館

パリ6日目。さて、歩き回るのは疲れるので、スケッチブック片手に今日はMusee d' Orsay (オルセー美術館)へ。外には物凄い列が出来ていたが、パリの観光名所での待ち時間は、列の長さにしては比較的短い。どんどん前に進んでゆく。

館内は展示品の写真撮影禁止。写真を撮っていて大声で注意されている人を何人か見た。が、隠れて撮っている人もちらほら。

この美術館は、以前、駅だった建物の中を改装して美術館にした物。なので、館内には鉄筋むき出しのストラクチャーや大きな時計などがそのまま残っている。

建築関連の本では、Form follows Function (建造物の外観は、その内容によって決まる)という概念を壊し、成功した例として取り上げられている。つまり、中身は美術館なのに、外から見ると駅、という様に、”学校なら学校らしく”、”教会なら教会らしく” というのではなく、内側の用途によって外観は決まらなくても良いのではないか、という考え方。



館内にあるカフェ。こういう創作的な照明や壁などはとても好きだ。ただのキッチンを隠す真っ直ぐな壁と、天井からぶら下がっている電気だけで、その他は特に変わった物はなにも無いのに、一つの空間を見事に演出している。


今日のスケッチ。
外で並んでいる間に描いた、建物の屋根に付いていた紋章。歩きながら描いたので難しかった。


この美術館の展示で好きなのは、アール・ヌーボーの家具などが沢山展示されていること。その中の一つで、ベッドの足がとても特徴的だった物があったので描いてみた。



これまで、結構写実的なスケッチをしてきて、ちょっと飽きてしまったので、自分が感じた通りに描きたくなって描いた女性の彫刻。


描いていたら、あっという間に4時間経って閉館。

外はとても良い天気だったので、目の前のセーヌ川に掛かる橋へ。橋の反対側は、ルーブル美術館の前の公園。

橋の柵には沢山の施錠がとめられていて、それぞれに恋人同士の名前が。縁結びの施錠だと、何かで見た覚えがある。神社ではないところがヨーロッパらしい。


渡り終えると、何でも一人で全部同時に演奏しちゃうおじさんが。


渡り終えて振り返ったところ。



ルーブルの前を直進すると、そのままシャンゼリゼ通りに入る。まぁ、観光客向けのショッピングストリートという感じ。並んでいる店は、何処の都市に行っても見る物ばかりで、殆ど特筆する事は無い。


シトロエンのショールームは、以前、建築雑誌で見た事があったので覗いてみた。なかなか面白い。一つ一つの丸いプラットフォームの上に、歴代のシトロエンが置かれている。


昔、父が勤めていた会社の社用車が全て真っ赤なシトロエンのHトラックと呼ばれる物で、子供の頃そのバンに時々乗せて貰ったのを覚えている(シトロエンHトラック)。


随分歩いてきたので、コーヒーが飲みたくて一休み。カフェに入ると目の前には・・・
幾ら甘いもの好きでもこれはきついだろう、味的にも、イメージ的にも、と思いながらも買ってしまった。ホイップクリーム+カスタードクリーム+イチゴのエクレア。アメリカの偽物甘味料の味などせず、甘ったるくも無くとても軽い。あっという間に無理なく食べてしまった。何となく人目につかない所で食べたけど。


やっと着いた、凱旋門。


門の間から傾きかけた日がさしていた。



 あ、何か飛んでる。これが本当の飛行機雲!?



絡まり合う4本の足。Welcome to Paris.



 パリの女の子は小柄で、後ろから見ていると日本人と間違える事もしばしば。髪型やファッションなども似ている。というか、日本人のファッションがパリの子に似ているんだろうけど。アメリカ人の様に、大雑把な格好ではない。ただ、何かが違う。パリの女の子の方が洗練されたイメージがある。それは、ここがファッションの本場だからとかいう事ではない。今日街中で色々観察していて気が付いた。

”歩き方”だ。

皆とは言わないが、日本の若い子の多くは、ひざを曲げたまま一歩一歩つま先から踏み込む様な、つまづくみたいな歩き方をする。腰が落ちて足が短く見える上に、なかなか前に進まない・・・幼稚な感じに目に映る。 

パリの女の子はさっそうと歩く。特にモデルの様に歩いている訳ではないけれど、きれいな歩き方で前に進んで行く。なので、全体が洗練された、バランスの取れた感じに目に映る。まぁ、これも文化の違いなのか。

日本ではさっき金環日食だったらしい。日本の友人とSKYPEで仕事をしていて知った。パリは夜中。外は雨。気が付いたら午前2時15分。なぜかホテルのドアに "Do not disturb" の札が無いので、あまり遅くまでは寝ていられない。2日前の朝、いきなりドアが開いてメイドさんが入ってきて、”あ!失礼しました。”と言って出て行った。

丸1日パリにいるのは明日で最後。明後日やっとアメリカに帰国。さっき日本の友人に、今月日本に帰って来れるかと聞かれたが、いやー、ちょっと暫くカリフォルニアにいたい・・・。

2012年5月19日土曜日

ヨーロッパ出張- ルーブル美術館

パリに来てから、時差ぼけな上に毎日歩いていたのでちょっと疲れていた。今日は何処にも行かず、のんびりその辺をブラブラしながら、生活感のある写真でも撮っていようかと思ったが、ふっと思い立ってルーブル美術館へ向った。

どうしても、もう一度見たい物があった。

スケッチブックを片手にまずは歩いてパリ北駅へ向い、駅構内のパン屋で朝食。





ルーブルに着くと、中国人のツアー客を押し分けて、わき目もふらずにまず向ったのは、これ。
Antonio Canova(アントニオカノーヴァ) の作品、Psyche ranimee Par le baiser de l'Amour 。日本語では、『アムールとプシュケ(エロスの接吻で目覚めるプシュケ)』) と言うらしい。以前来た時に、とても魅かれた。

背中の羽の形。
抱えあう腕のコンポジション。
迫力を保ちながらもとても繊細で、ここだけに違う空気が流れている様な彫刻。


次はルノアールのLa Lecture。


なぜか、見ているとホッとする。光と影を用いる様になった、印象派の彼ならではの作品だと思う。どうやったらこんなに柔らかな線を表現できるのだろう。



そして、かの有名なドラクロワの、La Liberte guidant le peuple.。民衆を導く自由の女神。フランス7月革命を題材にした作品。女神の向って左側には、ドラクロワ本人も。右側の少年は、ヴィクター・ユーゴー作のレ・ミゼラブルに登場する少年のモデルとなったとも言われている。女神の胸がはだけているのは、乳房=母性=祖国 という意味合いで、祖国フランスへの想いを比喩として表していると習った覚えがある。



すぐ側には、ジャンヌダルクの肖像画。夢に出て来た神に、民衆を導いてフランス革命を指揮する様に言われたのは、若干13歳の時とされている。そして、19歳の時に、イギリス軍の裁判で有罪となり、フランス西部のルーアンで火炙りの刑に。ここには、モネも題材にしているルーアン大聖堂があり、ジャンヌダルクが処刑されたとされる記念碑には、今でも人々が花を供えている。16年前に訪れた時、大きなゆりの花を1輪近くのマーケットで買い、供えて来たのを覚えている。



結局ルーブルで、午前11時から午後9時まで過ごした。
その間に描いた絵。




ヨーロッパの人達は、スケッチをしていると気軽に覗きに来る。立って描いていた時は5分ごと位に必ず誰か覗きに来た。さすがに1時間以上立っていると疲れるので、床に座って描き出したが最後、次々と上から覗きに来た。ある子連れのお母さんが来て覗き込んだ後、何かフランス語で話しかけて来た。全部は理解できなかったが、どうやら写真を撮っていいかと聞いているらしい。俺は大道芸人か!、と思いながらも、まぁ断る理由も無いので ”ダコー(OK)” と言うと、絵を描いている姿を写真に収め、お礼を言って去っていった・・・。次に絵を描く時は、足元に空き缶でも置いてみて、幾らたまるか試してみようかと本気で思った。

アートと言う物は、歴史、社会的背景や作者の心情などが反映されている物だが、見る人が勝手に色々と想像して見るのも良いと思っている。見る人が、その人の人生観で物事を見る、という事自体がアートだと思うから。


歩いていて、思わずセリフが思い浮かんで来た。


”へへへ、みんなには内緒だよ~”




”あっ・・・あっれ~???”




 ”おか~さ~ん!夕飯捕まえたよ~!”



パリは午後9時でもまだ明るい。






風邪ひくよ。
いや、信号待ちのミニスカートのお姉さんではなくて、そこで寝ている人が。



パリの夜景でも見に行こうかと思い、モンマルトルの丘に向った。電車の中で、学生っぽい二人組みがサックスとピアニカで演奏を始めた。小遣い稼ぎにたまに見る風景。と、座っていたおじさんがいきなり後ろの席の女性にダンスを申し込み、女性もOK。二人でダンスを始めた。曲が終わると、同じ車両にいた人達が拍手。こういうのは、ヨーロッパの文化を感じられてとても好きだ。素晴らしい。



モンマルトルの丘から見たエッフェル塔。


ちょっと曇っていて、夜景はあまり綺麗ではなかった。



土曜日の夜ともあって、大勢の人がアルコールを持参して階段にすわり、夜景を見ながらワイワイやっている。まぁ、実際は夜景なんて気にもしていないんだろうけど。


この時点で夜11時。あまり夜景は綺麗に見えなかったし、ずっと絵を描いていて疲れたので直ぐに丘を降りた。駅の近くのバーの前を通ると、サッカーを見ながら皆で大騒ぎしている。このまま帰るのは面白くない。ということで、大きなグラスでビールを買い、皆と一緒にサッカー観戦。ちょっと盛り上がってしまった。



今は午前1時45分。

こんな一人旅も、たまには悪くないかも、と思った一日。


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